名古屋の一大エンタメ!? 喫茶ツヅキ「カフェオレ天井落とし」

名古屋の一大エンタメ!? 喫茶ツヅキ「カフェオレ天井落とし」

2018/11/02

2メートル以上の高さから、勢いよくカップに注がれるカフェオレ。最後はポットが天井にドン! 名古屋でモーニングを食べるなら、世界十数カ国のメディアにも紹介されている超ユニークな喫茶ツヅキにキマリ!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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一風変わった喫茶店「喫茶ツヅキ」で目がさめるモーニングを

最寄り駅は名古屋駅の隣の中村区役所駅。徒歩10分弱

名古屋駅から太閤通を西へまっすぐ1.5キロ。大門交差点の角に喫茶ツヅキはある。
昔は遊郭があり、お祭りでは盛大な花魁道中(おいらんどうちゅう)が行われていたという古くからの街だ。

午前中なら、ゴージャスな気分で名古屋モーニングを楽しめそう

ビルの2階へ上がって店内に入ると、目に飛び込んでくるのは色とりどりの花、花、花!

ーーお花屋さんもされてるんですか?

店長 都築秀紀さん
店長 都築秀紀さん
「まさか! 全部100均の造花ですよ~、あはは!」

……ん? これはかなり、風変わりなお店の予感!

「ちょっと”濃い目のキャラ”と”話し好き”」の言葉

ショップカードを拝見するに、一風変わっていることは「自他ともに認める」というヤツらしい。
そして、秘技「カフェオレ天井落とし」とは一体……⁉

喫茶ツヅキを一躍有名にした
「天井落とし」

「自称、日本一高いカフェオレの天井落としです」(秀紀さん)

脚立の上からコーヒーとミルクをカップに注いでカフェオレを作るのが、喫茶ツヅキ名物の「カフェオレの天井落とし」。ホットのカフェオレ(540円)を注文する際にリクエストすると、追加料金なしで披露していただける。

休日ともなると、1日50回ほども行うそう

コーヒーとミルクを別々に注ぐ方法はフランスにもある正統な作り方で、それを東京で見かけた2代目の都築憲幸さんがお店に導入。
お客さんを喜ばせるために少しずつ高さがエスカレートし、5年ほど前からはついには天井にぶつかるまでに!

父子共演時は、カフェオレを2杯注文することになる

状況が許せば、2代目の憲幸さんと3代目の秀紀さん、父子2代での共演もお願いできる。

ーーお父様の秘技を失敗せずにできるようになるまで、かなり練習されたのでは?

店長 都築秀紀さん
店長 都築秀紀さん
「いやー、やってみたら最初から上手にできたんですよ。あはは!」

この軽やかさ、だんだんクセになってくる。

参加型ショーに進化中!

カメラの動かし方までレクチャーしてくれる

高さがMAXに達した今、天井落としは参加型に進化しつつある。
グループの場合、実演前に1人が脚立内へ誘導され、他の人には撮影する位置や撮り方について丁寧な指南がある。それからいよいよ天井落とし、という順番だ。

レアな角度から眺められる脚立の中!

取材時はママ友会が行われており、おひとりが秀紀さんの中学時代の同級生。「おもしろいお店があるよ!」と、お友達を連れてきたそう。古くからの友人ということもあり、笑い声の絶えない明るい雰囲気で天井落としが披露された。

――脚立の間から見るのはどんな感じでしたか?

お客さんのアカネさん
お客さんのアカネさん
「ジョボボボボーッと音がして、目の前というよりも真上から降ってきているみたいでした! 正面から見るよりも、すごく高いところから落ちてきているように感じましたよ」

――熱くはなかったですか?

お客さんのアカネさん
お客さんのアカネさん
「熱くはないですがちょっとハネるので、白い服じゃないほうがいいと思います!」
コーヒーとミルクを半々で注ぐので、ミルク多めのカフェオレになる

脚立から降りて仕上げのモコモコ泡を作れば、カフェオレが完成!
しかし、フォトタイムはさらに続く。

猫舌の方は要注意!

花をバックに脚立を移動させて並び、ポットに余っているコーヒーとミルクをなんと直接口に⁉
「ちょっと熱い! でもおいしい!」と、またまた歓声と笑いが起きる。

脚立に上ると、意外と高い⁉

最後は脚立に乗り、ポットを持っての記念撮影で参加型天井落としは終了となった。

もちろん、天井落としを見たいだけならそう伝えればいいので、どこまで参加するかは自由。秀紀さんも雰囲気を見ながら進めてくれるので、強制される心配はないので安心だ。

ミルクたっぷり、モコモコ泡のカフェオレ

「泡は30分もちますが、飲み頃を過ぎるので待たないでくださいね」(秀紀さん)

泡で覆われたカフェオレは、ゆっくり撮影を楽しんだあとも充分に熱くおいしい。
泡が消えないのは空気をたっぷり含んでいるためで、天井落としは単なるショーというわけではないのだ。

添えてある甘いホイップは溶かしてもいいが、カフェオレに少し浸して食べてもおいしい

カフェオレのカップは、天井落としに適した形のオリジナル。もとはイギリス製のカップだったが全部割れてしまったため、現在は似たデザインを特注して瀬戸で焼いてもらっているそうだ。

モーニングでも、天井落としOK!

ゴボウやのりたまなど、斬新なアイデアメニューも多い

名古屋といえば、モーニング。喫茶ツヅキにも、お得なモーニングセットがある。
ドリンク代のみでいただける日替わりモーニングは約30種類あり、1カ月毎日来ても違うものが食べられるようになっている。

――モーニングでも天井落としをお願いできるんですか?

店長 都築秀紀さん
店長 都築秀紀さん
「はい、もちろん大丈夫です!」

――モーニングも豪華で、ドリンク代だけとは思えないですね。

店長 都築秀紀さん
店長 都築秀紀さん
「寒い時期は、ピザトーストやトーストサンドなど少し手間のかかる温かいメニューも増えるのでオススメですよ」
明方(みょうがた)ハムは、岐阜県の名産品

ドリンク+追加料金で頼めるセットもある。
写真の「Bセット」(590円)は明方ハムのサンドイッチで、レタスとキャベツがたっぷり。薄めのパンは口に入れたときの主張が控えめで、ハムと野菜のおいしさをダイレクトに味わえる。

セットドリンクは4種類
ドリンクは、コーヒー・紅茶・ソーダ水・ミルクから選べる。自家焙煎コーヒーが人気のお店だが、5種類のリーフをブレンドした紅茶も好評だ。
差額を支払えば他のドリンクを注文することもでき、カフェオレなら+108円となる。

フルーツはすべて完熟で食べごろ!

「Cセット」は、卵・ハム・サラダ・フルーツとホテルのモーニングのようなリッチさ。フルーツの種類は仕入れによって変わるが、常に7種類はある。これでドリンク付き640円は破格だ。
ちなみに「Aセット」(450円)は、ロールパンのサンドイッチ2種(卵サラダ・ハム)となっている。

フルーツパーラー、コーヒー店としても実力派

リントンとはインドネシアにあるコーヒー豆の産地の名前

ビル1階の看板には、「自家焙煎珈琲」「世界のフルーツパーラ」の文字がある。
喫茶ツヅキが天井落としで有名になったのはここ5年ほどのことで、それまで60年以上もの間、地元で愛されてきたお店。おいしくなければ、そう長くは続かない。

珍しいフルーツも
もりだくさんのパフェ

8種類ほどのフルーツが乗った「ホットケーキパフェ」(1080円)

さきほどのCセットでもわかるが、喫茶ツヅキはフルーツがお得にいただけるお店。パフェメニューも豊富で、こちらも旬のフルーツがふんだんに使われている。

こぼれんばかりのフルーツ!

秀紀さんは「フルーツパーラの看板は適当に作っただけですよ」とさりげないが、パパイヤやドラゴンフルーツを使っている喫茶店はそうそうない。

――すごいボリューム! 完食するのは数人がかりになりそうですね。

店長 都築秀紀さん
店長 都築秀紀さん
「いえいえ、1人で完食される女性も多いですよ。ランチ代わりにときどきこのホットケーキパフェを食べにこられる常連さんもいます」

丁寧に淹れる、自慢の自家焙煎コーヒー

中南米やアフリカなど、約30種類の豆を扱っている

1946年(昭和21年)に秀紀さんのおじいさまが創業した喫茶ツヅキ。2代目の憲幸さんの代になってから、コーヒーにも力を入れるようになっていった。

コーヒー豆の産地や品種に注目するサードウェーブコーヒーが日本でも流行しはじめた数年前からは、ブレンドコーヒーではなく1種類の豆を指定する「ストレート」での注文も増えてきたそうだ。

微粉を取り除くパウダーコントロールは、ここ数年で急速に広がっている方法

ブレンドはサイフォン、アイスコーヒーやストレートはネルドリップなど、コーヒーをおいしく淹れるための努力も惜しまない。
写真は豆を挽いたあと、ふるいにかけて微粉を取り除くための道具。コーヒーの雑味がなくなって、キレのあるクリアな味わいになる。

喫茶ツヅキは、年中無休で
7時30分から

喫茶ツヅキの営業は、朝7時30分から。この時間からであれば、仕事前でもゆったりと余裕を持って過ごすことができる。
名古屋駅からもアクセスしやすく年中無休なので、楽しい名古屋モーニングのお店として覚えておきたい。

店長 都築秀紀さん
店長 都築秀紀さん
「カフェオレとパフェは提供に少々お時間をいただきますので、少しお早めにお越しくださいね!」

取材・文・撮影=一番ヶ瀬 絵梨子(日本プリコム)

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